Life of Pi

Life of Pi: Student Edition

Life of Pi: Student Edition

2002年度のブッカー賞受賞作。本書は、‘Toronto and Pondicherry’ ‘The Pacific Ocean’ ‘Benito Juárez Infirmary, Tomatlán, Mexico’ の三部構成になっていて、‘The Pacific Ocean’と題された第二部が軸となる海洋冒険小説
第一部は、主人公パイの幼年時代について。冒頭、知らない動物名が山ほど出てきて(パイのお父さんは動物園の経営者)挫けそうになるも、そこを過ぎればあとはなんとかかんとか読めます。
1970年代のインディラ・ガンジーによる独裁政権に嫌気がさしたパイ一家は、カナダへの移住を決意。パイ一家とともに、アメリカやカナダの動物園に引き取られる猛獣を積んだ貨物船は、その渡航中沈没してしまい、これ以降の冒険譚が第二部。夜が明けると、救命ボートには、ベンガルトラ、傷ついたシマウマ、ハイエナ、バナナの袋を救命具代わりに辿りついた船酔いオランウータンが同乗し、ノアの箱舟状態に。単なる漂流物語と異なるのは、パイと食物連鎖の末生き残ったトラとの共同生活が描かれているところと、第三部において、救助後にパイが漂流生活を振り返るその語りにある。
その第三部では、沈没の原因を究明したい役人が、唯一の生存者であるパイからその経緯を聞きだす場面が描かれる...のだけど、あまり書くとよろしくないので、詳しくはお読み下さい。