メゾン・ド・ヒミコ

読書など。夕方からの仕事は中国出張でキャンセルとのこと。

DVDで『メゾン・ド・ヒミコ』。カムアウトした父親によって捨てられた母子。母はその後癌を患い、娘はその入院費、手術代を親戚からかき集めた末に借金を背負う。かつては銀座のゲイバー「卑弥呼」で時の人だった父も癌に侵され、今はゲイ専用の老人ホームで静かに死を待つ状態に。この映画、娘役の柴崎コウと近所の少年が抱くゲイへの偏見と和解 (というか受容) のテーマを謳っている訳だけど、ゲイ専用の老人ホームという存在がすでに「クローゼット」なんじゃないかと思ったり。入居者たちがダンスパーティーに出かけた際、その内の一人が知り合いとばったり出くわし、ゲイであることをからかわれ何も言い返せずにうつむくシーンがある。このシーンは「クローゼット」から出ることの困難さを物語っている訳だけど、かといって「クローゼット」としての老人ホームに居座り続けることも安住を約束してはくれない (近隣住民の目、少年たちによるイタズラ、ホームを経済的に援助するパトロンの失脚など)。映画では、外部者 (柴崎&少年) をホームに招じ入れることで、この「クローゼット」に関するジレンマを一応解決している (んだと思います)。

メゾン・ド・ヒミコ 特別版 (初回限定生産) [DVD]